木曜日に日仏で観た試写。フランス映画祭2009で上映の短編映画6作品。概ねこういう作品集ってハズレだったりするんだけども、予想をいい意味で裏切り実に素晴らしい作品だらけで、マイッチングでした。
以下、作品情報はフランス映画祭2009作品情報より
火と血と星 LE FEU, LE SANG, LES ETOILES
HISTOIRE
選挙での左翼敗退が新聞で報道される。ある若い、左翼思想を持つ母親は、狼狽のあまり過激な行動へと走る。子供は祖父に相談を求めるが……。
監督・脚本:キャロリーヌ・デルアス
出演:レナ・ガレル
2008/フランス/35mm/ドルビー dts/15分36秒
© les films au long cours
私の中の超巨匠であるフィリップ・ガレルのもとで助監督を務めているキャロリーヌ・デルアス監督。女版・ガレルと言うか、平成版ゴダールと言うか、とにかくシネフィルの気持ちいいところのツボを押してくれる作品でした。
冒頭の親子のリズムの乗り方でもう既にKOされました。
スキゼン SKHIZEIN
HISTOIRE
隕石が上から落ちてきたらどうなるのか? 不幸にもそれがアンリに起きてしまった。以来、彼は自分の体からぴったり91センチ離れた所にいるのだ。
監督:ジェレミー・クラパン
2008年/フランス/35mm/カラー/マルク・ピエラ(整音)/13分35秒
© Dark Prince 2009
発想がもうヤバいよヤバいよ(出川)。こういう奇想天外な発想が乏しい自分は、大いに刺激を受けたのでした。シュールコメディなはずなのに、幼き頃に宮崎アニメを観たときと同じような涙が流れてきたのね。
ホーム・パーティー FAIS COMME CHEZ TOI
HISTOIRE
パリに越してきたブノワは新居祝いのパーティーをするが、宴が終わっても二人の男と一人の女がなにやら話し込んでいて帰る気配がない……。
監督・脚本:ゴーティエ・アブー
出演:ゴーティエ・アブー
2007/フランス/35mm/カラー/ドルビー SRD/20分30秒
© Kaleo_Film
イントロがもう「好き」ド真ん中。ラストシーンの虚空感がじわじわーっと伝わって来る間の撮り方が絶妙。
毎日が日曜日! C’EST DIMANCHE !
HISTOIRE
13歳のイブラヒムは、ある日学校から退学を言い渡される。しかしそんなことは父親には言えず、学位が取れたと信じさせようとするが……。
監督・脚本:サミール・ゲスミ
出演:イリエ・ブクレイン、ジェメル・バレク
2008年/フランス/35mm/カラー/ドルビー SRD/30分5秒
これ、2時間の映画にしてもアリ。お金払って2回観に行ってしまう。サミール・ゲスミにとって本作が初監督作品らしいのだけれども、まったくそんな感じはしなかった。『運動靴と赤い金魚』のマジッド・マシディ監督作品とかのイラン映画が実は好きな私。『パリの天使たち』のジェラール・ジュニョ監督さながらのこのテイストにどっぷりハマってしまった。
もう一人のコラリ LA COPIE DE CORALIE
HISTOIRE
印刷屋のコンフォルム氏が30年前に姿を消した女性の面影を追って生きてきたと知ったヴィルジニーは、街の壁に人探しの広告を出そうとする。
監督・脚本:ニコラ・エンゲル
出演:セルジュ・リアブキーヌ、ジャンヌ・シェラル
2008年/フランス/35mm/カラー/ドルビーSR /21分40秒
おおっ!ミュージカル!?
林家パー子も吃驚のピンクづくしのヴィルジニーも、街中に貼りまくった広告も、’60年代フランス的な要素がこれでもかって詰め込まれてて、観ていて快感が得られました。
一目惚れ C’EST POUR QUAND?
HISTOIRE
一目惚れ。子供達のお誕生会でのこと。ケーキ、略奪者、ヒステリックな姉妹……。一目惚れの瞬間の後に起きる出来事の可能性が目に浮かぶ。
監督:カティア・ルコウィック
出演:バンジャマン・ビオレー
2007年/フランス/35mm/カラー/ドルビーSR/12分
© Benoit Petret
数行だけでも、予めストーリーは読んでおくべし。でないとなにがコメディなのか疑問に思ってしまったり、観点が台無しになってしまいかねない。チッチおじさんは、単純に好みのタイプです。
いい映画をたくさん観て、心が満たされました。フランス映画祭では14日(土)10:30~。ホラーナイト後の私、起きれるのか!?